こんな悩みをスッキリ解消
- エコカー減税や増税が気になり車の購入タイミングがわからない人
- 日本の車を取り巻く税制がよくわからない人
- 増税後に買うべきか悩んでいる人
日本の車関連の税金はとても多いと言われており、その負担は日々増え続けています。
ついに消費税が増税となり、ベストな車の買い時がわからないという人も多いはず。
先にポイントをまとめると2019年10月以降の消費税増税に合わせて自動車関係の税金は下記のようになりました。
自動車関係の税金の変化
- 自動車税の税率が引き下げられる
- 自動車取得税が廃止→代わりに環境性能割が導入
今回は、消費税増税により、車の税金がどう変化したのかを解説。
また、エコカー減税がどうなったのかをわかりやすく紹介します。
【2023年6月】自動車税一覧表
消費税が8%から10%に増税したことで、車を購入する際の負担は大きく増えることになります。
その負担を軽減すべく、自動車取得税の撤廃と自動車税の引き下げになりました。(参考:総務省「2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります」)
車の区分 | 総排気量 | 2019年9月までの税額 | 2019年10月以降の税額 | 差額 |
---|---|---|---|---|
自家用乗用車(普通車) | 1L以下 | 29,500円 | 25,000円 | ▲4,500円 |
1~1.5L以下 | 34,500円 | 30,500円 | ▲4,000円 | |
1.5~2.0L以下 | 39,500円 | 36,000円 | ▲3,500円 | |
2.0~2.5L以下 | 45,000円 | 43,500円 | ▲1,500円 | |
2.5~3.0L以下 | 51,000円 | 50,000円 | ▲1,000円 | |
3.0~3.5L以下 | 58,000円 | 57,000円 | ▲1,000円 | |
3.5~4.0L以下 | 66,500円 | 65,500円 | ▲1,000円 | |
4.0~4.5L以下 | 76,500円 | 75,500円 | ▲1,000円 | |
4.5~6.0L以下 | 88,000円 | 87,000円 | ▲1,000円 | |
6.0L以上 | 111,000円 | 110,000円 | ▲1,000円 | |
自家用乗用軽自動車 | 660cc | 10,800円 | 10,800円 | 0円 |
2019年10月以降の新車から1,000~4,500円の自動車税の減税となりました。
厳密に言うと2019年10月以降に初回のナンバー登録をした車から適応ということです。


2019年10月より前にナンバー登録された車は、「2019年9月までの税額」が適応されます。


自動車取得税が無くなり環境性能割が増える
消費税増税のタイミングに自動車取得税が廃止されました。
しかし自動車取得税の代わりに「環境性能割」というものがスタート。
環境性能に応じて取得金額に一定の税金が課せられるのです。詳細は下記の通り。
環境性能割の税率(乗用車の例)
燃費性能等 | 税率 | ||
---|---|---|---|
自家用 | 営業用 | ||
登録車 | 軽自動車 | ||
電気自動車等 | 非課税 | 非課税 | 非課税 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+20%達成車 | |||
★★★★かつ2020年度燃費基準+10%達成車 | 1.0% | ||
★★★★かつ2020年度燃費基準達成車 | 2.0% | 1.0% | 0.5% |
★★★★かつ2015年度燃費基準+10%達成車 | 3.0% | 2.0% | 1.0% |
上記以外 | 2.0% |
※出典:総務省「2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります」より
このように、購入する車の環境性能に応じて課税がされるのです。
2020年度の燃費基準を10%以上達成している車に関しては、現行の自動車取得税より課税率が下がるためお得に購入できます。
しかし結局、税金の名称が変わった(自動車取得税→環境性能割)だけで、自動車取得税が無くなったわけではありません。

エコカー減税は廃止された?
2009年から実施されているエコカー減税。
まず、2019年9月30日までのエコカー減税はどんなものなのか振り返ります。
対象車 | ・電気自動車 ・燃料電池車 ・PHV ・クリーンディーゼル車 ・2020年度燃費基準+90%達成車 |
ハイブリッド車 ガソリン車 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平成17年排出ガス基準75%低減車 | ||||||||
2020年度燃費基準 +50% +40% 達成車 |
2020年度燃費基準 +30% 達成車 |
2020年度燃費基準 +20% 達成車 |
2020年度燃費基準 +10% 達成車 |
2020年度燃費基準 達成車 |
平成27年度燃費基準 +20% +10% +5% 達成車 |
|||
優遇内容 | 自動車重量税 | 免除(全額) | 50%減税 | 25%減税 | 減税なし | |||
軽自動車税 | 75%減税 | 50%減税 | 25%減税 | 減税なし | ||||
自動車税 | 75%減税 | 50%減税 | 減税なし |
※出典:国土交通省「エコカー減税(自動車重量税)の概要」より
エコカー減税が受けられるのは、「自動車取得税、自動車重量税、自動車税」の3つ。
ただし、今回の消費税増税のタイミングに自動車関連の税の見直しにより、エコカー減税は下記となります。
- 自動車取得税:自動車取得税が廃止のため、エコカー減税は廃止
- 自動車重量税:2023年4月30日までエコカー減税の対象
- 自動車税:2021年3月31までに購入した自動車はグリーン化特例の対象、2021年4月からは電気自動車等に限定してグリーン化特例の対象
前章で説明した通り、自動車取得税は9月いっぱいで廃止。
そのため、自動車取得税のエコカー減税も9月30日までとなりました。
また、自動車税のグリーン化特例による減税は下記のようになります。
グリーン化特例(軽課)による自家用の乗用車(登録車・軽自動車)に係る軽減割合
自動車の燃費性能等 | 2019年4月から 2021年3月までの間に 購入した場合 |
2021年4月から 2023年3月までの間に 購入した場合 |
||
---|---|---|---|---|
登録車 | 軽自動車 | 登録車 | 軽自動車 | |
電気自動車等 | 税率を概ね 75%軽減 |
税率を概ね 75%軽減 |
税率を概ね 75%軽減 |
税率を概ね 75%軽減 |
★★★★かつ2020年度燃費基準+30%達成車 | 税率を概ね 50%軽減 |
軽減なし | 軽減なし | |
★★★★かつ2020年度燃費基準+10%達成車 | 税率を概ね 50%軽減 |
税率を概ね 25%軽減 |
※出典:総務省「2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります」より


増税前と増税後、どちらがお得かシミュレーションをした結果
車は税金の種類が多く、「結局いつ買うのが一番お得なのか」という問題がつきまといます。
「軽自動車、コンパクトカー、ミニバン」の3車種に分け、増税前と増税後に購入した金額をシミュレーションしました。

- 軽自動車…「増税前」
- コンパクトカー…「増税前」(※ケースによっては増税後)
- ミニバン…「増税前」(※ケースによっては増税後)
軽自動車は「増税前」の方がお得だった
例えば車両価格が150万円の軽自動車を購入する場合、増税前と増税後ではこれだけ金額が異なります。
費用 | 増税前 | 増税後 | 差額 |
---|---|---|---|
購入価格 | 1,500,000円 | 1,500,000円 | 0円 |
消費税 | 120,000円 | 150,000円 | 30,000円 |
自動車取得税 | 15,000円(50%減税) | 廃止 | -15,000円 |
環境性能割 | なし | 30,000円 | 30,000円 |
自動車重量税 | 4,950円(50%減税) | 4,950円(50%減税) | 0円 |
自動車税 | 5,400円(50%減税) | 5,400円(50%減税) | 0円 |
合計 | 1,645,350円 | 1,690,350円 | 45,000円 |
※エコカー減税「50%減税」、排気量1~1.5L以下でシミュレーション
150万円の軽自動車は
- 増税「前」に購入すると164.5万円
- 増税「後」に購入すると169万円
となります。
軽自動車は「環境性能割」が2%、また消費税2%の増税が大きくトータルの購入金額が増税後の方が高くなりました。
コンパクトカーは「増税前」がお得だった
200万円のハイブリッドシステムを搭載するコンパクトカーを購入する場合、増税前と増税後でこれだけ差が生まれます。
費用 | 増税前 | 増税後 | 差額 |
---|---|---|---|
購入価格 | 2,000,000円 | 2,000,000円 | 0円 |
税金 | 160,000円 | 200,000円 | 40,000円 |
自動車取得税 | 0円(免税) | 廃止 | 0円 |
環境性能割 | なし | 0円(非課税) | 0円 |
自動車重量税 | 0円(免税) | 0円(免税) | 0円 |
自動車税 | 8,625円(75%減税) | 7,625円(75%減税) | -1,000円 |
合計 | 2,168,625円 | 2,207,625円 | 39,000円 |
※エコカー減税「75%減税」、排気量1.5~2L以下でシミュレーション
200万円のコンパクトカー(ハイブリッド搭載)は
- 増税「前」に購入すると約217万円
- 増税「後」に購入すると約225万万円
となります。
ハイブリッドシステムを搭載するようなコンパクトカーを購入する場合も、消費税2%の増税が大きくトータルの購入金額が高くなりました。
ミニバンは「増税前」がお得だった
最後に、車両価格400万円のミニバンを購入した場合のシミュレーション結果を紹介します。
費用 | 増税前 | 増税後 | 差額 |
---|---|---|---|
購入価格 | 4,000,000円 | 4,000,000円 | 0円 |
消費税 | 320,000円 | 400,000円 | 80,000円 |
自動車取得税 | 60,000円(50%減税) | 廃止 | -60,000円 |
環境性能割 | なし | 80,000円 | 80,000円 |
自動車重量税 | 24,600円 | 24,600円 | 0円 |
自動車税 | 51,000円 | 50,000円 | 1,000円 |
合計 | 4,455,600円 | 4,556,600円 | 101,000円 |
※排気量2.5~3.0L以下のミニバンで計算
400万円のミニバン(非ハイブリッド)は
- 増税「前」に購入すると約446万円
- 増税「後」に購入すると約456万万円
となります。
車両価格が高く、排気量が大きい車ほど増税前と増税後の差が大きくなります。


軽自動車以外は増税後の方が安くなる可能性がある
まず先に、軽自動車の購入を考えているのであれば増税前がお得でした。
理由はカンタンで、消費税増税による負担が増える2%に対し、減額されるものが少ないから。
どの条件でも、軽自動車は増税前がお得だったという結果になります。
しかしコンパクトカーやミニバンなどは、シミュレーションの条件次第では増税後の方が安くなる可能性があります。
一度、新車ディーラーに見積もりを取って確認することをオススメします。
また、自動車にかかる税金は今回説明しただけではありません。
自動車に関する税金は下記記事でまとめています。

まとめ
- エコカー減税は暫定的に行われている政策で、突然終了する可能性がある
- 2019年10月には増税となり、自動車取得税が廃止される代わりに環境性能割が始まる
- 増税後は自動車税の割引があるが、微々たるもの
- 軽自動車は増税前に購入する方がお得
- 軽自動車以外はケースによっては増税後の方が安くなる可能性がある