こんな悩みをスッキリ解消
- 別居または離婚調停中で、車を売る場合の扱いを知りたい人
- 別居中に夫や妻名義の車を売る方法を知りたい人
- 離婚調停中で、車の財産分与について詳しく知りたい人
別居や離婚が決まった時、家と同じくらい扱いに困るのが「車」です。
共有財産として持っている人も多く、財産分与の割合がどうなるのか知りたい人も多いはず。
そこでこの記事では、別居中に車を売る方法や、財産分与の割合の出し方を解説。
共有財産である車を売る人が読むことで、どうしたら財産を均等に分け合うことができるのかがわかります。
別居中に車を売る時の流れ
別れることを見越して同居をする人などいないので、買い物の名義はあまり気にしないカップルや夫婦が大半です。
しかし一度別居が決まると、その名義のせいで財産が処分できないという問題が発生してしまいます。
別居中に車を売る流れ
- 車の名義が誰なのかを調べる
- 他人名義だったケース
- 自分名義だったケース
まずは車の名義が誰なのかを調べる
結論としては、車は自分名義のものでなければ勝手に売ることはできません。
そこで売却の権利が自分にあるのかどうかを確かめるため、車検証に記載されている名義人が誰なのかを確認しましょう。
車検証は、大半の場合が助手席のダッシュボードに入っています。
車検証の「所有者の氏名又は名称」という欄には、以下3パターンのどれかの名称が記載されています。
- ローン会社またはディーラーの名前
- 配偶者(夫または妻)の名前
- 自分の名前
この中で、自分で車を売ることができるのは「3.自分の名前」のケースだけ。
他人名義だと勝手に車を売ることはできないため、これから2つのケースに分けて詳しく説明していきます。
ケース1.売る車が他人名義だった
車検証に記載されている所有者の名義が他人だった場合、自分がお金を払っていたとしても法律上は名義人の財産です。
所有者がディーラーだった場合と夫または妻だった場合で、取るべき対処法を紹介します。
所有者がディーラーだった場合の対処法
その場合は以下の書類を用意する必要があるよ!
名義変更の流れ | 用意する人 | 必要なもの | 費用 | 日数 |
---|---|---|---|---|
1.車庫証明の取得 | 新所有者 | 自動車保管場所証明申請書 保管場所の配置図 保管場所使用権原疎明書面 保管場所使用承諾書 運転免許証 |
約3,000円 | 3~5営業日 |
2.必要書類の準備 | 新所有者 旧所有者 |
印鑑証明書 委任状 譲渡証明書 車検証 車庫証明 住民票(※車検証と印鑑証明の住所が異なる場合) 戸籍謄本(※車検証と印鑑証明の氏名が異なる場合) |
400円 | 即日 |
3.運輸支局での手続き | 新所有者 | 申請用紙 ナンバープレート |
500円 約2,000円 |
即日 |
名義がローン会社やディーラーだった場合、先に残っているローンを一括返済する必要があります。
ローンを一括返済した後は、ローン会社に「所有権解除」という手続きをしてもらう必要があります。
所有権解除とは、ローン会社から自分に名義変更を行うこと
ローン会社に「所有権解除をしたい」と言えば、後日以下の書類が送られて来ます。
- ローン会社発行の印鑑証明書
- 委任状
- 譲渡証明書
これは筆者が実際に所有権解除を申請した際に送られてきた書類。
この書類と一緒に、上記3つの書類が添付されていました。
運輸支局で名義変更の手続きをしてしまえば、自分の名義になって車を売ることができます。
ローンが残っている車を売るときの方法は下記記事でさらに詳しく説明しています。
所有者が夫または妻だった場合の対処法
所有者が夫または妻だった場合、どちらの名義にするのか協議する必要があります。
つまり別居中であっても直接話し合わないといけないのです。
ケース2.売る車が自分名義だった
売る車の名義が自分だった場合は、何も苦労することなく売却が可能。
自分が用意するものは、以下の表にあるものです。
必要な書類(もの) | 普通自動車 | 軽自動車 |
---|---|---|
実印 | ○ | |
認印 | ○ | |
印鑑証明書 ※発行から3ヶ月以内 |
○ | |
自動車検査証(車検証) ※車検が切れていないこと |
○ | ○ |
自動車税納税証明 軽自動車納税証明書 |
△ ※必須ではない |
△ ※必須ではない |
自賠責保険証 | ○ | ○ |
リサイクル券 | ○ | ○ |
譲渡証明書 | ○ 通常は買取業者が準備 |
|
委任状 | ○ 通常は買取業者が準備 |
|
自動車検査証記入申請書 | ○ 通常は買取業者が準備 |
|
振込口座情報 | △ | △ |
住民票 ※発行から3ヶ月以内 |
△ ※車検証の住所が異なる場合 |
△ ※車検証の住所が異なる場合 |
戸籍の附票 ※発行から3ヶ月以内 |
△ ※車検証の住所が異なる場合 |
△ ※車検証の住所が異なる場合 |
戸籍謄本 ※発行から3ヶ月以内 |
△ ※結婚して名字が変わり 車検証の住所と異なる場合 |
△ ※結婚して名字が変わり 車検証の住所と異なる場合 |
親権者の同意書 親権者が確認できる戸籍謄本など 親権者1名の印鑑証明書 ※発行から3ヶ月以内 |
△ ※所有者が未成年の場合 |
△ ※所有者が未成年の場合 |
車買取店からしてみれば、車売却の手続きなど日常茶飯事。
譲渡証明書や委任状もお店で用意している上、記入方法も全て教えてくれます。
車検証などは車に入っているため、自分で用意するものはほとんどありません。
車売るときの必要書類は下記記事で詳しく解説しています。
別居中や離婚調停中に車を売る方法
別居中や離婚調停中なら、二人の共有財産はしっかり金額に換算して財産分与をしたいところ。
しかし前章でもお伝えしたとおり、車は名義人でなければ売ることができません。
もし夫または妻の名義になっている場合は、直接話し合って車を売るかどうか決めるのが大前提。
法的な根拠がないため、「必ずこうなる」という紹介はできません。
しかし似たようなケースをいくつか紹介しますので、別居中に車を売りたい人は是非参考にしてください。
車を売って財産分与をする場合、割合はどうなる?
車を財産分与する方法は以下の2つに分けられます。
車を財産分与する2つの方法
- 方法1.車を売って財産分与する
- 方法2.車を売らずに財産分与する
基本的には「車を売って財産分与する」方法となりますが、どちらの方法であっても現在の車の価値をハッキリさせなければいけません。
簡易的に売却相場を調べて、夫婦互いが納得すればOKです。
そして、財産分与の割合は基本的には50%ずつ。
そのため、車を売る場合は売却額の半分、車を売らない場合は算出した額の半分が財産分与の対象となります。
車売却時の財産分与については、以下の記事で詳しく紹介しています。
ローンが残っている車を売ると財産分与はどうなるのか?
もしお互いの協議の結果、「車を売って財産分与する」と決まった場合、気になるのは売却額です。
仮にローン残債より売却額が上回った場合、手元に残ったお金を財産分与として半分にします。
しかし、もしローン残債が上回ってしまった場合は対応が異なります。
- Q:車を財産分与の対象としていますが、車の評価額が60万円で、ローンが80万円残っています。離婚後、相手が車を所有する場合、財産分与はどのように計算するのでしょうか?単純にマイナス20万円を分割では、私には車が残らないのでおかしいと考えています。
- A:不動産や自動車がオーバーローンの場合、資産価値無しとして、財産分与の対象としないのが一般的です。
車売却と財産分与の基本的な考え方
車は財産なので、当然価値があれば財産分与の対象となります。
ただし名義の問題と売却額の問題があるので、このように考えておきましょう。
- 財産分与の割合は半額だが、頭金の支払い割合によって変わることがある
- 車を売却しない場合、現在の車両の価値の半分が財産分与の対象になる
- ローン中の車を売って売却益が出たら、その半分を財産分与する
- ローン残債が上回った場合、財産分与の対象外とする
別居中で車を売るときによくある質問と回答
Q1.別居中の車を売るときの流れは?
まずは車の名義(所有者)が誰なのかを調べる必要があります。
詳しくは「まずは車の名義が誰なのかを調べる」で説明しています。
Q2.別居中もしくは離婚調停中に車を売るには?
大前提として車は名義人(所有者)でなければ売ることができません。
そして、車を売却した代金は財産分与の対象となります。
詳しくは「別居中や離婚調停中に車を売る方法」でご確認ください。
Q3.ローンが残っていたらどうなるの?
ローン残債より売却額が上回った場合、手元に残ったお金を財産分与として半分にします。
もし、ローン残債よりも売却額が下回った場合は、夫婦の話し合いになりますが、資産価値無しと判断して財産分与しないのが一般的です。
詳しくは「ローンが残っている車を売ると財産分与はどうなるのか?」でご確認ください。
Q4.少しでも高く売りたいけどどうすればいい?
車は財産分与の対象になりますので、なるべく高く売ったほうが良いです。
車を高く売るには、車一括査定を使って、複数社の査定額を比較することが大事。
買取業者からの電話対応など、少々メンドクサイことはありますが、高く売れるため利用しない手はありません。
詳しくは下記記事をご確認ください。
まとめ
- 別居中に車を売るためには、車の名義が自分でないといけない
- ディーラーまたはローン会社名義であれば、ローンを返して所有権解除をする
- 別居中や離婚調停中に車を売る場合は、必ず当人同士で財産分与について話し合う
- 相手が車を持っていく場合、現在の車両価値の半分を財産分与として請求できる
- 車が財産分与の対象になるのは、売却によって利益が出た場合のみ