新車の時には価格が高く手が届かなかった憧れの車や、最新モデルではなくどうしても手に入れたい旧型モデルの場合など、中古車を選ぶメリットは沢山あります。
インターネットが今ほど普及する前は、中古車を購入する方法といえば
- 近所にある中古車販売店に行き少しでも希望に合った車を根気よく探すか
- 中古車情報誌で希望に合った車を探すか
この2つが一般的でした。
中古車では価格が安いメリットがある一方で、年式や走行距離、色や装着されているオプションなど車の状態はさまざま。すべて自分の希望に合った車はなかなか見つからないデメリットもあります。
ところが、インターネットの普及に伴い、近所にある中古車販売店ではなく、日本全国どこで販売されている中古車であっても検索できるようになり、限りなく希望に合った中古車を見つけやすくなりました。
「ガリバー」や「ネクステージ」など全国展開しているような大型店であれば、他県に有る車の取り寄せも可能ですし、「カーセンサー」「グーネット中古車」などを通じて遠方の中古車販売店から車を購入することも可能です。
しかし
- 遠方から取り寄せるにはどうしたら良いか
- 費用が余計に掛かってしまうのではないか
- 購入した後に故障した場合はどうすれば良いか
など、さまざまな不安や疑問を持っている方も少なくないでしょう。
この記事では遠方から車を取り寄せる方法や費用、その際の注意点などについて詳しく解説していきます!
中古車購入の3つの方法と取り寄せ手順
遠方にある中古車を取り寄せて購入する方法は、中古車をどのように購入するかによって違いがあります。
中古車を購入する方法は以下の3つの方法が一般的。
中古車を購入する3つの方法
- 中古車販売店
- ディーラー
- インターネット中古車情報
それぞれの購入方法での取り寄せ方法と特徴についてお話していきますね。
方法1.中古車販売店
中古車販売店には、全国展開しているような大手販売店から1店舗しかない小規模店まであり、遠方から取り寄せる時のポイントはその店の規模によって違います。
「ガリバー」や「ネクステージ」のように、全国展開している中古車販売店の場合は、自社内のネットワークにある車から選ぶのが基本となっているため、特に特別な手続きをしなくても県外からの取り寄せには対応してもらうことが可能。
県内、または近県でのチェーン展開をしている中規模の中古車販売店では、自社在庫であれば問題なく取り寄せてもらうことができますが、他社在庫の場合は対応できない可能性があります。
また、1店舗のみで営業しているような小規模店舗の場合、その店で購入することが前提であるため基本的に県外からの取り寄せには対応してもらえないことがほとんどです。
方法2.ディーラー
ディーラーと聞くと新車販売のイメージがあると思いますが、多くのディーラーでは中古車部門を持っていたり、別会社として中古車販売店を運営していたりします。
トヨタやマツダといったメーカー名を冠にしているだけあって、安心感を持って中古車を購入することができますが、取り寄せとなると少々注意が必要です。
日本全国どこに行ってもディーラーは存在するため、なんとなく全て同じ系列店のような気がするかもしれませんが、実はメーカーとディーラーは全くの別会社。
さらに同地域にあり、同じメーカーの看板を掲げているディーラーであっても運営会社が全く違うこともあるのです。
メーカーが100%出資しているディーラーであれば、他県のディーラー同士で中古車情報を共有しており、他県からの取り寄せにも対応してもらえます。
しかし地場資本系ディーラーの場合、他県とのネットワークを持たずに他県からの取り寄せには対応してもらえない可能性があります。
方法3.インターネット中古車検索
インターネットの中古車検索サイト「カーセンサー」「グーネット中古車」であれば、パソコンやスマートフォンなどを使い、24時間中古車を検索することができます。
また、中古車販売店やディーラーなど特定の店舗に限定されず、日本中にある登録済中古車から検索できるため、自分の希望に合った中古車を見つけることが可能。
もし遠方の地域に希望の中古車を発見した場合は、見積もりを取り寄せるか問い合わせを行い、県外の遠方であっても購入と取り寄せが可能か確認するようにしましょう。
中古車検索サイトには、上で書いたように全国展開をしている大手中古車販売店から小規模な店舗までさまざまな規模の中古車販売店が登録しているため、中には遠方納車に対応していない販売店も存在します。
中古車の取り寄せにかかる費用相場
県外から車を取り寄せる場合、やはり通常の購入とは違って、陸送費や輸送費、登録費用などが余計にかかってしまう可能性があります。
取り寄せ距離 | 大手中古車販売店 | 一般中古車販売店 ディーラー |
---|---|---|
短距離(100km程度) | 0~2万円 | 1~3万円 |
中距離(300km程度) | 1~3万円 | 3~5万円 |
長距離(600km程度) | 2~5万円 | 5~7万円 |
超長距離(1000km以上) | 3~6万円 | 8~10万円 |
上記表のとおり、業者や車種、または諸条件によって金額は変わりますが、原則移動させる距離が遠くなればなるほど高くなっていきます。
また全国展開しているような大手中古車販売店の場合、遠方から車を取り寄せることが珍しくないため、特定の陸送業者と提携しています。結果、ディーラーや一般の中古車販売店よりも陸送費は安く設定されています。
次に登録にかかる追加費用は以下のとおりです。
取り寄せ距離 | 大手中古車販売店 | 一般中古車販売店 ディーラー |
---|---|---|
短距離(100km程度) | 0~3万円 | 3~5万円 |
中距離(300km程度) | 0~3万円 | 4~6万円 |
長距離(600km程度) | 0~3万円 | 5~7万円 |
超長距離(1000km以上) | 0~3万円 | 6~8万円 |
全国展開している大手中古車販売店であれば、登録は自宅から近い店舗が実施してくれるため特別「追加費用はないケースがほとんど」です。
対して、遠方の販売店の場合は、名義変更などの手続きのためユーザーが住んでいる地域まで出張しなければならず、出張費などが多めにかかってしまうことがあります。
注意点:県外取り寄せの場合
上記でご案内している取り寄せ相場はあくまで一般的なもので、販売店やどこに輸送するかによっても陸送費や登録費用は変わるケースも。
例外として考えられるのが、沖縄などの離島、もしくは北海道から九州・沖縄など極端に距離が遠い場合です。
沖縄などの離島は当然として、極端に輸送距離が遠い場合は、陸送ではなくフェリーを使った船便になることがあります。
船便の場合、料金以外にも移動にかかる日数も余計かかる場合があるため、あまりに遠方から取り寄せる場合は、料金だけでなく移動日数にも注意しましょう。
注意点:県内取り寄せの場合は基本自分で取りに行く
県内であれば、どの店舗でも基本取り寄せてもらうことは可能ですが、自宅などに届けてもらう場合はやはり距離に応じた陸送費用が掛かる場合があります。
中古車の購入費用を少しでも抑えたいのであれば、購入した店舗まで取りに行くことをオススメします。
取り寄せの費用が決まる仕組み
中古車を遠方から取り寄せる場合の費用相場や仕組みについてお話してきましたが、中古車を運ぶとなればそれなりの費用が掛かってしまうのは仕方ありません。
距離が長くなるほど当然費用は高くなり、またどの方法で陸送するかによっても費用は変わってきます。
ここでは「取り寄せ費用の総額がどのように決まるのか」を解説します。頭に入れておくと、ご自身のケースでより正確な取り寄せ費用を計算する助けになるでしょう。
陸送の中継点によって費用が決まる
大手中古車販売店を除き、一般的に長距離の陸送が必要な場合は、店舗から店舗まで直接運ぶのではなく、陸送業者のモータープールなどを中継する場合があります。
このケースでは店舗間を直接運ぶよりも安くなる場合があります。
これは人件費が大きく関わっていて、店舗から特定の場所まで直接運ぶ場合はチャーター便になってしまうから。
それに対して、陸送業者がまとめて運ぶ定期便に乗せる方が安くできる可能性があります。
ただし定期便に乗せる場合、輸送待ちの時間などが発生します。金額が抑えられる分、余分に時間がかかることを覚悟しなくてはなりません。
見落としがちな追加費用
遠方から中古車を取り寄せる場合、一般的な中古車購入時の納車費用にプラスして陸送費や輸送費がかかります。加えて納車費用そのものが割高になることがあります。
県を超えて登録する場合、ユーザーの住所を管轄している陸運事務所で登録作業を行わなければならず、出張費や人件費が余計にかかります。
別途陸送費がかかるときには見積もりなどに記載されていることがほとんどですが、遠方であることが原因の登録費用増加について別項目で書かれることはほとんどありません。
通常の登録費用として書かれているだけで、通常の場合と比較しいくら増額されているのかを書類から知ることはできないのです。
業者によって別項目で記載されている場合もありますが、遠方から取り寄せたにも関わらず、陸送費以外の記載が無い場合は、いくら費用が増えているのかについて販売店に確認しましょう。
中古車を取り寄せる際の注意点
取り寄せでの中古車購入では、通常の購入と少し違う注意点があります。
購入後に後悔することが無いよう、下記で紹介する内容に注意して中古車を選びましょう。
1.中古車の状態を正しく把握する
中古車購入では、一台ごとに状態が異なります。年式・走行距離といった情報だけでは安心して購入していい車だと判断できません。
外装や内装の傷み具合はもちろん、エンジンのかかり具合・下回りやタイヤハウスの中など中古車情報の掲載写真以外の箇所についても確認しておきたいですね。
仮に遠方であっても、近県など実際に足を運べる距離であれば、一度は店舗に行って実車の確認を行うことをおすすめします。
しかしさらに遠方の場合、実際に店舗に行くのは難しい事もあるでしょう。
その場合は、電話やメールで気になる点を質問し、可能であれば写真を追加で撮影し送ってもらうのがベストです。
ただし販売店もその車だけに集中できるわけではありませんので、写真は必要最低限のポイントに絞ってお願いしましょう。
2.納車後のキャンセルは可能かを確認
売買契約後にどうしてもキャンセルしたいという場合は、契約後2日程度であればキャンセルできる可能性があります。
しかし遠方からの取り寄せの場合、店舗によっては契約後すぐに運搬などの納車準備に取り掛かっていることがあります。
店舗側の費用負担が発生して以降は、キャンセルするためには店側が負担した費用を払わなければならず、そもそもキャンセル不可ということもあるでしょう。
購入前に車の状態をチェックするのと同時に、いつまでキャンセルが可能かは必ず確認しておくことをおすすめします。
3.名義変更はどうなるか(陸送業者が納車地域で行う場合も含め)
車は電化製品などと違って法律によって所有権などが定められているため、中古車購入後には必ず名義変更手続きを行わなければなりません。
通常の購入方法であれば、指示された書類を揃えて販売店に渡すことで手続きしてもらえます。
対して実際に店舗に行くことができないほど遠方の場合は、一般的に3つの名義変更方法があります。
遠方の中古車を名義変更する3つの方法
- 販売店のスタッフが購入者の地域まで出張する
- 販売店側で手続きをしてもらう方法
- 購入者自身が手続きを行う
方法1.販売店のスタッフが購入者の地域まで出張する
1つ目は、販売店のスタッフが購入者の住所を管轄する陸運事務所(軽自動車は検査協会)まで出張し手続きを行う方法。
近県の場合や納車を急ぐ場合に取られる方法ですが、事前に必要書類は送っておかないといけませんし、出張費などの費用が別途発生する可能性があります。
方法2.通常と変わらず販売店側が手続きを行う
2つ目は通常の場合と同様、販売店側で手続きをしてもらう方法です。
費用的には販売店のスタッフが出張するより安く済みますが、書類のやり取りは郵送になるため若干時間がかかってしまうことも。
ただ通常の購入方法の場合でも、書類の郵送や手渡しが必要になる場合が多く、あまり余計な手間が増えることはありません。
この場合の名義変更手続きは、販売店から依頼を受けた代行業者や陸送業者が行います。
方法3.ユーザー自身が手続きを行う
遠方の中古車を取り寄せた場合、陸送費や登録料などが余計にかかってしまうものですが、自分で名義変更の手続きを行うことで余計にかかる費用を節約することが可能です。
名義変更と聞くと少々難しく感じるかもしれませんが、自分で行う名義変更は意外に簡単。下記の記事でも必要書類や手順を詳しく解説しています。
ただ販売店によってはユーザー側での名義変更をNGにしている場合があるので、どの方法で手続きを行うかは販売店と相談して決めましょう。
4.取り寄せた後のサポート・整備を受ける場所
中古車を購入してから一番の心配事は、やはり購入後の故障ではないでしょうか?
故障はもちろん、車検などのメンテナンスはその車を購入した店舗にお願いすることが一般的ですが、遠方から購入した場合そうはいきません。
中古車購入後の故障やメンテナンスをどこで受けるか不安な場合は、一度は近隣のディーラーに行くことをオススメします。
「ディーラーで中古車は相手にしてくれない」と思うかもしれませんが、全くそんなことはありません。
年式によっては保証継承点検を受けることで、メーカー保証を継続させることも可能です。
ディーラーの車検や整備は割高という意見もありますが、一度話を聞いてみてどうしても予算が合わない場合、カー用品店やガソリンスタンドなどでもある程度の故障は見てもらえます。
まとめ
中古車は新車と違い、必ずしも希望の車に巡り合えるとは限りません。全国の中古車から探すことで、希望にマッチした車を手に入れられる可能性は飛躍的に高くなります。
ただし手続きや納車方法、車の状態確認など、通常の購入方法とは違った形で注意しなければならないことが多いのも事実。
また遠方ではどうしても現車確認を完璧に行うことはできず、購入する店舗や車両をしっかり選ぶことも大切です。
「これはいい!」と思う車両を見つけたら、状態の確認や手続き方法などを事前にしっかり問い合わせ、その店舗が信頼できる店舗かどうか見極めるようにしましょう。
- 問い合わせメールの返信が異常に遅い
- 返答内容が曖昧
- 見積もり内容の詳細が書いていない・聞いてもあいまいな答えしか返ってこない
といった場合は購入を見送った方が賢明です。この記事があなたの手助けになりますように!