こんな悩みをスッキリ解消
- 適正な車間距離の知識を身に着けたい人
- あおり運転の被害に遭った時の対処法を知りたい人
- 車間距離を詰めて走ったらどんな罪に問われるか知りたい人
道路を走る車は自分だけではないのもあり、必ず起きてしまうのがあおり運転。
異常に車間距離を詰める行為は法律で禁止されていますが、その被害は減ることがありません。
そこで今回の記事では、車間距離について正しい知識を分かりやすく紹介。
適正な車間距離はどれくらいか、車間距離を詰めて運転した場合の罰則はどんなものかを紹介しています。
万が一あおり運転に遭ってしまった時の対処法も解説しているので、この記事を読むだけで、道路をスムーズに走るための知識が全て身につきます。
車間距離は近年問題視されている
車間距離と言えば、あおり運転に関するニュースでよく耳にする単語。
カンタンに説明すれば、先行車との距離のことですが、これを異常に詰めることをあおり運転と呼びます。
車間距離を詰めるあおり運転は、後続車が過剰なプレッシャーをかける行為として道路交通法でも禁止されています。
しかしこの法律を無視し、一方的に先行車を煽るドライバーが減りません。近年その異常性が問題視されているのです。
ドライブレコーダーは、車両の前後に取り付けたカメラで運転中の記録を残すビデオカメラ。下記がドライブレコーダーの売れ筋ZDR-15です。
※出典:「ZDR-15」公式HPより
あおり運転に対する世間の注目度が高まり、最近では新車購入時に同時装着をする人が増えています。
こうした需要の高まりにより、自動車メーカー各社も純正オプションとしてドライブレコーダーをラインナップしています。
※出典:トヨタ「ナビオプション」より
車両後方を録画するカメラがあれば、後続車に車間距離を詰められても、一部始終を録画して証拠として提出できます。
もちろん、純正以外でもドライブレコーダーはたくさん販売されています。例えば下記はドライブレコーダーで人気のZDR-15という機種。
こうした安全策は用意されているものの、理想はあおり運転に遭遇しないことです。
そこでこれから、適正な車間距離やあおり運転をした時の罰則について分かりやすく説明していきます。
車間距離はどの程度開けなければならないのか
適正な車間距離は、道路交通法で定められているものを基準に決まっています。
そこでこの章では、法律から適正な車間距離を計算して紹介していきます。
第二十六条 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。
(罰則 第百十九条第一項第一号の四、第百二十条第一項第二号)※出典:e-GOV「道路交通法」より
法律をかいつまんで説明すると、前を走る車が突然急ブレーキをかけたとしても、自車が追突することなく安全に止まれる距離のこと。
あおり運転で車間距離が詰まっていたら、当然先行車が急ブレーキを踏んだら追突してしまいます。
停止距離とは空走距離と制動距離を合わせた距離
速度 | 空走距離 | 制動距離 | 停止距離 |
---|---|---|---|
30km/h | 8m | 6m | 14m |
50km/h | 14m | 18m | 32m |
80km/h | 22m | 54m | 76m |
100km/h | 28m | 84m | 112m |
車の停止距離を測るためには、空走距離と制動距離を知っておく必要があります。
- 空走距離とはドライバーが危険を察知しブレーキペダルを踏むまでに車が走る距離
- 制動距離とは実際にブレーキが効いて車が停止するまでの距離
- 空走距離と制動距離の2つを合わせると停止距離
車の停止距離は上記の表の通りで、速度が上がれば比例して距離も長くなります。
速度が100km/hになると急停車するにも100メートル以上が必要になるのがわかります。
そしてこれは、ドライバーの個人差や路面状況によっても大きく変わることがあるのです。
つまり、理想の車間距離は上記の表の「停止距離以上」ということ。
高速道路で100km/hで走るなら最低でも112m以上の車間距離を開けないといけないのです。
「車は急に止まれない」という標語があるように、危険を感じても車をすぐに停車させることは不可能です。
つまり、先行車がすぐ目の前にあるような状態は全て車間距離が不足している状態ということ。
だいぶ離れた先に先行車がいる状態こそ、適正な車間距離が保たれているということなのです。
適正な車間距離がわかったところで、万が一違反をした際はどんな罰則があるのか次章で確認していきましょう。
車間距離保持義務違反になると2点と1万円前後の罰則
車間距離を詰めすぎるあおり運転のことを「車間距離保持義務違反」と呼びます。
これは前章で紹介した車間距離に関する法律を破ったこととなり、当然罰則の対象となります。
この章では、車間距離保持義務違反でどんな罰則があるのかを紹介していきます。
違反した場所 | 加点 | 反則金 |
---|---|---|
高速道路 | 2点 | 9,000円 |
中・大型車 12,000円 | ||
二輪車 7,000円 | ||
一般道 | 1点 | 6,000円 |
中・大型車 7,000円 | ||
二輪車 6,000円 | ||
原付 5,000円 |
警察の取り締まりにあった場合、まず1〜2の加点と5,000〜12,000円の反則金を納めることになります。
そしてこの罰則に従わない場合、法律で以下の罰則がある旨が記載されています。
第百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
第二十六条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為(高速自動車国道等におけるものに限る。)をした者※出典:e-GOV「道路交通法」より
このように、車間距離保持義務違反は非常に重い罪に問われることがわかります。
特に、近年はあおり運転対策として取り締まりも厳しくなっています。
地域によっては上空からヘリコプターで取り締まりをすることもあり、車間距離を詰めることは許されない風潮となりつつあります。
その上、あおり運転が原因で事故が起きた場合、自動車保険の過失割合も10:0となってしまいます。
最近の車はドライブレコーダーを装備していることも多く、車間距離を詰めていることが立証されれば全面的に自分が悪いこととなるのです。
このように、車間距離保持義務違反は非常にハイリスクであることがわかります。
先行車が遅いなどのときは無理に車間距離を詰めず、車線変更をして追い越すなどの対応を取りましょう。
ここまでは、車間距離を詰めた場合の罰則についてお話してきましたが、次章では逆のパターン「自分があおり運転の被害に遭った時」の対処法を紹介していきます。
逆に車間距離を詰められて危険を感じた場合の対処法
あおり運転は自分がしなくても、されてしまうこともあります。
本章では、自分があおり運転をされてしまった場合の対処法を2つのシーンに分けて紹介していきます。
あおり運転に遭う2つのシーン
- シーン1.一般道を走行中
- シーン2.高速道路を走行中
シーン1.一般道を走行中
一般道を走行中にあおり運転をされた場合、その一般道が複数車線ある大きな道路であれば、車線変更をして避けましょう。
車間距離を詰められる場合、大体が先を急ぐ車によるあおり運転です。
自分が車線変更をしてどいてしまえば、相手は追い抜いて先へ行ってしまいます。
車線が1つしかない道の場合、最寄りのコンビニなどに一旦退避するのも有効です。
シーン2.高速道路を走行中
高速道路を走行中にあおり運転に遭った場合も、基本は一般道の時と同じです。
まずは左の車線に移り、相手を先に行かせることが大事です。
高速道路は基本的に2車線以上あるため、後ろの車が追いついて来たときは速やかに道を譲りましょう。
どちらの場合も、車間距離を詰めてくる車を先に行かせてしまうことが大前提です。
しかし中には、何かの理由で執拗にあおり運転をしてくる人もいます。
これからその時の対処法を紹介します。
あおり運転が収まらない場合は110番通報する
道を譲っても追いかけてくる車がいたら、迷わず110番通報をしましょう。
走行中に携帯電話を手に持つことは禁止されているので、ハンズフリー機能を使うか退避先で通報しましょう。
相手の車のナンバーや特徴を伝えれば、警察または高速機動隊が対応してくれます。
あおり運転に遭った場合、焦って事故を起こしてしまう可能性が高まります。
あおり運転はされると非常に怖いものですが、落ち着いて対処することが大事です。
心の余裕がなくなるときほど、いつも以上に安全確認をして落ち着きましょう。
あおり運転に影響されて事故を起こしたら、自分だけが痛い目にあいます。
そうならないよう、ドライブレコーダーで前後方を録画するなどの自衛策が重要です。
まとめ
- 車間距離は前の車が急停止しても追突することがない距離と法律で定められている
- 安全に止まれる距離は自車速度×1メートルが最低ライン
- 車間距離保持義務違反は2点と1万円前後の罰則がある
- あおり運転をされた時は110番通報をする
- 道路状況を正しく判断してあおり運転の被害に遭わないように心がける