こんな悩みをスッキリ解消
- 車を売る時の名義変更の重要性を知りたい人
- 名義が違う車を売る方法を知りたい人
- 名義変更せずに車を売ったらどうなるか知りたい人
ディーラーや買取店で売ると、名義変更はしてくれるため特に意識する必要はありません。
ただし、ディーラーや買取店等を通さずに、自分たちだけで車を売買するなら、「名義変更」という手続きをする必要があります。
車は所有者というのが登録されており、自動車税などは所有者に課せられます。(所有者は車検証に書かれています。)
つまり、名義変更しないままでいると、ずっと自動車税が旧所有者に掛かってくるのです。
また、仮にその車で犯罪などに使われた時、まず「所有者」を疑われることになり面倒なことになります。
なので、例え親や友人だとしても、車を売買する時は名義変更(所有者の変更)が必須なのです。
しかし、名義変更はそう何回も経験するものではないため、どうすれば良いのか分からないのも当然。
そこでこの記事では、車を売る際の名義変更の方法から、名義が違う車を売る方法までわかりやすく解説。
最後まで読むことで、現在が誰の名義であっても確実に車を売ることが可能になります。
車の名義変更の流れと費用・必要書類
車は財産なので、売る時は名義人がきちんと手続きをしなければいけません。
車を売る時はお金の受け渡しだけでなく、車検証の情報を新しい所有者の名前にする必要があるのです。
ディーラーや買取店に車を売る場合、名義変更手続きは全て行ってくれます。
一方で、個人間売買など自分たちで車を売る場合、書類や手続を全て行う必要があります。
車売却時の税金還付については下記記事で詳しく解説しています。
名義変更の基本的な流れは下記の通り。
- 車庫証明の取得(※新所有者、普通自動車のみ)
- 必要書類の準備(※新旧所有者両方)
- 運輸支局での手続き(※基本的に新所有者が行く)
STEP1.車庫証明の取得(※普通自動車のみ)
まず最初に新所有者が車庫証明を取得してもらう必要があります。
車庫証明は、名義変更手続きに必要な書類のため、必須となります。
車庫証明は管轄の警察署に行き手続きをします。
必要なもの | 費用 | 日数 |
---|---|---|
自動車保管場所証明申請書 保管場所の配置図 保管場所使用権原疎明書面 保管場所使用承諾書 運転免許証 |
約3,000円 | 3~5営業日 |
軽自動車の場合は、車庫証明の取得は原則不要です。(※軽自動車の車庫証明は市区町村によっては必要な地域もあります。 必要地域は、全国軽自動車協会連合会を参照)
車庫証明の取得方法については下記記事で詳しく解説しています。
STEP2.名義変更の必要書類
次に名義変更手続きに必要な書類を準備します。
書類の種類 | 旧所有者 書類 |
新所有者 書類 |
メモ |
---|---|---|---|
印鑑証明書 | ○ | ○ | 発行日から3ヵ月以内のもの |
委任状 ※記載例 |
○ | 新旧所有者の実印の捺印が必要 実印を当日もっていけば不要 |
|
譲渡証明書 ※記載例 |
○ | 旧所有者の実印を捺印 | |
車検証 | ○ | 車検が切れていないこと | |
車庫証明 | ○ | 使用の本拠地が変更なければ不要 発行日から1ヶ月以内のもの |
|
住民票 | △ | 車検証と印鑑証明の住所が異なる場合 | |
戸籍謄本 | △ | 車検証と印鑑証明の氏名が異なる場合 | |
希望番号予約済証 | △ | 希望ナンバーをする方のみ | |
理由書 | △ | ナンバープレートを紛失・盗難で返納できない方のみ |
名義変更は新所有者と旧所有者の共同作業。
旧所有者は「車売却」、新所有者にとっては「車購入」となります。
したがって、これから車を売る人は「売却時の書類」を、これから車を買う人は「購入時の書類」を用意する必要があるのです。
また、希望ナンバーをする方は、下記サイトより予め希望番号予約済証が必要です。
上記にて希望する番号、交付手数料の支払いが完了すると、管轄の希望番号予約センター(運輸支局に引接)にて発行してもらえます。
必ず希望ナンバーをする方は、先に希望番号予約済証を取得しておいてください。
また、新旧所有者に未成年が含まれる場合は、下記が追加で必要になります。
- 未成年の方の戸籍謄本
- 両親どちらかの印鑑証明書※発行日から3ヵ月以内のもの
- 同意書※両親の実印の捺印があるもの
STEP3.運輸支局での手続き
STEP2で記載した書類を持って、管轄の運輸支局に手続きに行きます。
- 運輸支局は国土交通省の「全国運輸支局等のご案内」で探すことができます。
- 軽自動車は軽自動車検査協会の「全国の事務所・支所一覧」で探すことができます。
基本的に、名義変更手続きは新所有者が行くことになります。
運輸支局に行くと、案内板に「名義変更」と書いてあるかと思いますので、そちらに向かってください。
運輸支局では、下記の書類を準備します。
- 手数料納付書
- 自動車税申告書
- 自動車取得税申告書
- 申請書(第1号様式)
書類の不備がないか確認をされ、不備がなければ名義変更が完了します。
基本的に窓口の方に聞けば、教えてくれます。
ここまでが名義変更の基本的な流れと必要な書類です。
ここで紹介しているのは、「自分名義の車を売る」ケース。
名義が違う車を売る方法は次章で紹介していきます。
他人名義の車を売る時の手続き方法と必要書類
車検証の名義は、必ずしも自分になっているとは限りません。
本章では、他人名義の車でよくある以下3つのケースに分けて、自分が名義変更する方法を解説していきます。
- 名義がローン会社やディーラーのケース
- 名義が友人や親族のケース
- 名義人が亡くなっているケース
ケース1.名義人がローン会社やディーラーのケース
必要書類 | 用意する人 | 取得方法 | 費用 |
---|---|---|---|
印鑑証明書 | ローン会社(1通) 自分(2通) |
市区町村の役場 | 300円×2通 |
委任状 | ローン会社 | 国土交通省よりDL(書類・記入例) | |
譲渡証明書 | ローン会社 | 国土交通省よりDL(書類・記載例) | |
車検証 | 自分 | すでに持っている物 | 0円 |
ローンで買った車は、名義がローン会社やディーラーになっていることがあります。
その場合はまず、「所有権解除」という手続きを行う必要があります。
ローンを完済したら、ローン会社に「所有権解除の書類が欲しい」と伝えます。
すると、ローン会社より以下のような所有権解除の手続き書類届きます。
上記のような書類と一緒に下記書類が同梱されていますので、運輸支局に行き名義変更の手続きをします。
- 所有権解除の手続き書類(※ローン会社により異なる)
- ローン会社の印鑑証明書
- 委任状
- 譲渡証明書
また、ローン会社によっては名義変更手続きをしてくれるところもあります。
所有権解除の場合、車庫証明は取得し直す必要はありません。
自分の印鑑証明書と車検証と免許証を持っていき、自分の名前に名義変更を行います。
その後は自分名義の車として売ることが可能です。
ローン残債がある車の売却については下記記事で詳しく解説しています。
ケース2.名義人が親や親族・友人のケース
必要書類 | 用意する人 | 取得方法 | 費用 |
---|---|---|---|
印鑑証明書 | 名義人(1通) 自分(2通) |
市区町村の役場 | 300円×2通 |
委任状 | 自分 | 国土交通省よりDL(書類・記入例) | 無料 |
譲渡証明書 | 自分 | 国土交通省よりDL(書類・記載例) | 無料 |
車検証 | 自分 | すでに持っている物 | 0円 |
運転免許証 | 自分 | すでに持っている物 | 0円 |
友人や親族から譲ってもらった車に乗っている場合、名義変更をせずに乗り続けている人もいます。
その場合は法律的に、車検証に記載されている名義人の財産となるため車を売ることができません。
その場合取るべき方法は以下の2つです。
- 方法1.名義人に売ってもらう(本来の売り方)
- 方法2.自分の名前に名義変更してから売る
一番楽な方法は、名義人に車を売ってもらうことです。
ただし、売却代金の受け取りは、名義人になります。
お金を受け取るのがあなたである場合は、しっかりと名義人と相談してからにしましょう。
2つ目の方法は、自分の名前に名義変更をしてから売るというもの。
自分の名前に名義変更をしてからであれば、自分の車として売却することができます。
ケース3.名義人が亡くなっているケース
必要書類 | 用意する人 | 取得方法 | 費用 |
---|---|---|---|
戸籍謄本 | 自分 | 市区町村の役場 | 450円 |
遺産分割協議書 | 自分 | 国土交通省よりDL(書類) | 無料 |
印鑑証明書 | 遺産相続人の全員分 | 市区町村の役場 | 一通300円 |
車検証 | 自分 | すでに持っている物 | 0円 |
一番手続きが多くなるのが、車の所有者が亡くなっているケースです。
まずは役所に出向き、車の名義人が亡くなっている証拠となる「戸籍謄本」を取得します。
戸籍謄本には家族の情報も載っているので、遺産を相続する人の情報がそれで分かります。
しかし車の名義は複数にできないため、家族の誰か一人のものにする必要があります。
そこで「遺産分割協議書」というものを作成し、これを添付します。
遺産分割協議書は決まったフォーマットがあるわけではありません。
ただし、自分で作るのも面倒だと思いますので、国土交通省が用意している「遺産分割協議書」を使うのがオススメです。
これらを手書きまたはパソコンで作成し、自筆の署名と実印を押印します。
全員分の印鑑証明書をあわせて用意する必要もあるので注意しましょう。
相続人に未成年が含まれる場合は、その親権者が代理で協議を行います。
これらを用意することで、ようやく名義変更と車売却が可能になります。
車の価値は国が指定する査定機関や、都道府県税事務所が認定します。
とはいえ、名義人が亡くなった車の売却は買取店なら一貫して行ってくれるので、筆者は書類を用意する手間を考えたら買取店に任せてしまうことをオススメします。
全てのケースで共通して言えることは「名義変更をした後に車を売る」ということ。
車を売る際に用意すべき書類や取得方法は以下の記事で、より詳しく解説しています。
名義変更をしないで車を売った時の3つのリスク
ここまでの説明であなたは「名義変更って面倒くさい」と思ったかもしれません。
できれば名義変更をせずに車を売り、お金だけ受け取りたいと思いますが、これは非常にリスクのある行為です。
もし名義変更をしないで車を売ったらどうなるかを、本章ではカンタンに説明していきます。
- リスク1.事故時の責任
- リスク2.自動車税の請求が来る
- リスク3.車庫飛ばしの疑い
リスク1.事故時の責任
名義変更されていない車で新しい所有者が事故を起こした場合、所有者が逃げてしまったらあなたも捜査対象となってしまいます。
もちろん運転していないあなたに責任はありませんが、警察署へ出頭しなければならないなどの手間が発生します。
リスク2.自動車税の請求が来る
自動車税は、毎年4月1日時点の所有者に納付義務が発生します。
そのため名義変更をしないまま車を売ると、いつまでも納税義務者はあなたのままになってしまいます。
乗っていない車の自動車税を支払うことになるので、名義変更は必要な手続きなのです。
特に3月に車を売る人は注意してください。
リスク3.車庫飛ばしの疑い
車庫飛ばしとは、実際に車庫証明を取得した場所以外で、車が日常的に保管されている状態
つまり、警察に届け出た保管場所以外で車を保管している状態となり、車庫飛ばしという法律違反を犯していることになるのです。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一 自動車の保管場所に関する虚偽の書面を提出し、又は警察署長に自動車の保管場所に関する虚偽の通知を行わせて、第四条第一項の規定による処分を受けた者※出典:e-GOV「自動車の保管場所の確保等に関する法律」より
つまり、名義変更をしないと意図的ではないとしても「車庫飛ばし」の状態になってしまっているということ。
名義変更をせずに車を売ると、法律違反のリスクまであるのです。
車庫飛ばしについては下記記事で詳しく解説しています。
まとめ
- 車を売る際は名義変更をしなければ法律違反になる可能性がある
- 名義が違う車を売る場合は、先に名義変更をする必要がある
- 現在の名義人によって名義変更に必要な書類や手続きが変わる
- 名義変更をしないで車を売ることは不可能