こんな悩みをスッキリ解消
- 車検切れの車の移動方法がわからない人
- 仮ナンバーの取得方法を知っておきたい人
- 仮ナンバーを借りた際に気をつけるべき点を知りたい人
街中で見かける車の中に、赤い車線が引いてあるナンバーを取り付けた車を見たことはありませんか?
実はそれが「仮ナンバー」と呼ばれるもので、車検が切れた車に取り付ける臨時のナンバーなのです。
この記事はそんな疑問を全て解決する内容になっています。
仮ナンバーの取得方法を分かりやすく解説しているので、車検切れの車を運転したい時に役立ちます。
仮ナンバーが必要になる3つのシーン
当たり前のことですが、公道を走る車はナンバーの装着が必要です。
とはいえ、何らかの事情でナンバーが付いていない車を運転する必要もあるため、その時に使うのが仮ナンバーというわけです。
仮ナンバーは主に以下3つのシーンで必要になるため、ここではそれぞれのシーンを詳しく説明していきます。
仮ナンバーが必要な3つのシーン
- シーン1.車検切れの車を動かす時
- シーン2.廃車してある車を再登録する時
- シーン3.整備や点検のための回送をする時

(自動車登録番号標の表示の義務)
第十九条 自動車は、自動車登録番号標を国土交通省令で定める位置に、かつ、被覆しないことその他当該自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして国土交通省令で定める方法により表示しなければ、運行の用に供してはならない。※出典:「e-GOV」より

第百九条 次に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
※出典:「e-GOV」より
ご存知の通り、車検が切れた車は公道を走ることができません。
しかし、陸運支局で車検を受けないと公道復帰ができないため、車を陸運支局に運ぶ必要があります。
この時仮ナンバーを付けることで、車検が切れた車でも一時的に公道を走れるようになるのです。
また、一旦廃車にした車を再登録する際も同様。
その他にも、新車でまだ登録すらされていない車も当然ナンバーがありません。
こうした車を整備点検するために、一時的に仮ナンバーをつけて走行することがあるのです。

以上が仮ナンバーの基本的な情報です。
次章では、2種類ある仮ナンバーについて詳しく解説していきます。
仮ナンバーには2種類ある
仮ナンバーと言っても、一般の人が使えるものとそうでないものがあり、それぞれ取得方法が違います。
仮ナンバーは以下の2種類が用意されています。
仮ナンバーの種類2つ
- 種類1.臨時運行ナンバー
- 種類2.回送運行ナンバー

種類1.臨時運行ナンバー
臨時運行ナンバーというのが、一般的に私達が利用できるものです。
ナンバープレートに赤い車線が引いてあり、ひと目で仮ナンバーとわかるようになっているのが特徴。
臨時運行ナンバーという名前の通り、「車検が切れていた」などの理由であっても、手続きさえすれば気軽に借りることが可能です。

種類2.回送運行ナンバー
回送運行ナンバーというのは、車の整備や販売を行う業者だけが入手できる仮ナンバーのこと。
ナンバー全体が赤い枠で囲われているのが特徴で、主に業務用として使われています。
例えばトラックの販売店などは、荷台の架装を行う工場が別の場所にあることがあります。
その際に車を移動するのに使われるのが回送運行ナンバーなのです。
これは運輸支局から「貸し出されるもの」で、一般には出回りません。
そのため覚える必要もなく、馴染みのない仮ナンバーと言えるでしょう。

2種類の仮ナンバーの説明をしてきましたが、個人で借りることができるのは「臨時運行ナンバー」だけ。
そこで次章では、臨時運行ナンバーを取得する方法と費用について紹介していきます。
臨時運行ナンバーの取得方法&費用
個人で利用できる「臨時運行ナンバー」は市区町村役場で借りることができます。
ナンバーの取得は運輸支局で行いますが、仮ナンバーはあくまで役所という点に注意しましょう。
取得のための流れは以下の3ステップ。
臨時運行ナンバー取得の3ステップ
- ステップ1.市町村役場へ行く
- ステップ2.必要書類を提出して仮ナンバーを借りる
- ステップ3.使用後に返却する

ステップ1.市町村役場へ行く
臨時運行ナンバーの取得は市区町村役場の「市民課」で行えます。
総合受付で「仮ナンバーを借りたい」と話せば該当する窓口を紹介してくれます。
臨時運行ナンバーは即日貸し出しをしてくれるので、その日のうちに借りることが可能です。
ステップ2.必要書類を提出して仮ナンバーを借りる
臨時運行ナンバーを借りるためには、以下の書類が必要となるので忘れず持参しましょう。
臨時運行ナンバー取得に必要な書類
- 本人の運転免許証
- 自賠責保険証(原本)
- 車検証や抹消登録証明書
- 本人の印鑑
- 申請書
臨時運行ナンバーを取得するためには「自動車臨時運行許可申請書」の提出が必要です。(※下記画像は参考として愛知県春日井市の自動車臨時運行許可申請書)
これは窓口でもらうことができ、その場で必要事項を記入します。
自動車臨時運行許可申請書の必要事項
- 住所
- 氏名
- 電話番号
- 勤務先(個人の場合)
- 車名
- 形状
- 車体番号
- 運行の目的
- 運行の経路
- 運行期間
- 自動車損害賠償責任保険
仮ナンバーで公道を走るとしても、自賠責保険の加入は必須。
すでに加入済みである証明ができるよう、自賠責保険証の原本を持っていきましょう。
この他運転免許証や認め印を用意したら、申請の手数料として750円を支払います。
これだけの手続きで、その場で臨時運行ナンバーを発行してもらえます。

ステップ3.使用後に返却する
臨時運行ナンバーは3〜5日以内に返却しなければいけません。
そのため使用したら速やかに市区町村役場へ戻り、仮ナンバーを返却しましょう。


自分で臨時運行ナンバーを取得するのが面倒なら、ディーラーまたは整備工場に依頼してしまうのがオススメ。
車検切れの車であっても車検を取得するのには慣れているため、自分で臨時運行ナンバーを取得するよりよほど楽です。
ディーラーや整備工場は「積載車」と呼ばれる乗用車を積み込めるトラックを保有していることが多く、車検が切れた車をそのまま運輸支局へ運んでくれるのです。
それなら仮ナンバーは必要なく、費用もかかりません。
もし面倒なら、こうした方法もあることを覚えておきましょう。
次章では、臨時運行ナンバーの取り付け方について紹介します。
臨時運行ナンバーの取り付け方
臨時運行ナンバーと言えど、通常のナンバーと同様、前後に取り付ける必要があります。
臨時運行ナンバーと同時に渡される「臨時運行許可証」をダッシュボードに置いておくのも忘れてはいけません。
※出典:一般財団法人「福岡県自動車整備振興会」より


普通車の場合、リアのナンバーには「封印」と呼ばれるネジ止めが取り付けられています。
封印は簡単には取り外せなくなっています。一応、下記を見れば取り外しすることは可能。
ただし、封印の取り外しは必須ではありません。
仮ナンバーは片方のネジだけで留め、封印側のネジは使わなくても良いのです。
ただし、落下防止することがあるため剥がすのが容易な養生テープで留めておくと良いでしょう。

仮ナンバー4つの注意点
仮ナンバーを借りる際、意外と忘れがちな注意点がいくつかあります。
ここでは道路交通法違反にならないために覚えておきたい4つの注意点を紹介します。
仮ナンバー4つの注意点
- 注意点1.仮ナンバーをダッシュボードに置かない
- 注意点2.封印は潰さないようにする
- 注意点3.有効期限に注意する
- 注意点4.自賠責保険に加入する

注意点1.仮ナンバーをダッシュボードに置かない
仮ナンバーを取り付けるのが面倒だからと言って、ダッシュボード上に置くのは法律違反です。
最大で50万円の罰金を支払う可能性があるので絶対にやめましょう。
とはいえ、販売会社の車でダッシュボード上に仮ナンバーが置かれている現場をよく目撃するのも実情です。

注意点2.封印は潰さないようにする
前章でも軽く紹介しましたが、自分で封印を取り外すことも可能。
ただし、取り外しは封印を潰さないと外すことができません。
車検を取得してもナンバーは変わらないため、再び同じナンバープレートを使うことがほとんど。
うっかり潰してしまうと再取得に数百円の費用が発生します。
注意点3.有効期限に注意する
これもすでに紹介しましたが、仮ナンバーの貸出期限は3〜5日と決まっています。
必要な日程が決まったらその日に借り、使ったらすぐ返すというのが原則。
平日の日中に市区町村役場に行くのが面倒という人は、前述の通りディーラーや整備工場に依頼しましょう。

注意点4.自賠責保険に加入する
仮ナンバーと言っても、自賠責保険の加入は必須です。
なぜなら公道を走る以上、事故のリスクはゼロではないから。
自賠責保険はディーラーで加入でき、1ヶ月単位で申し込みができます。
費用も5〜6千円程度なので、必ず加入しておきましょう。
車検が切れているということは、同時に自賠責保険も切れている可能性があります。

もし、任意保険も切れてしまっているのであれば、任意保険の更新は保険料を見直すチャンス。
「保険スクエアbang!」などの自動車保険一括見積を活用して、補償の内容は変わらず保険料が安い保険を見つけましょう。
まとめ
- 仮ナンバーは車検切れの車を動かす際に必要
- 2種類ある仮ナンバーで、個人が利用できるのは「臨時運行ナンバー」
- 臨時運行ナンバーは市区町村役場で750円の手数料を払えば即日借りれる
- 仮ナンバーであっても自賠責保険の加入は必須
- 仮ナンバーの取得が面倒な場合はディーラーに車検を依頼するのがオススメ