こんな悩みをスッキリ解消
- 中古車は記録簿がある車じゃないとダメなの?
- 記録簿はどんな役割があるの?
- 安全な中古車購入がしたい!
年式、走行距離、価格など、インターネットや中古車情報誌などにはさまざまな項目が書いてありますよね。
中古車選びの基準は色々ありますが、記録簿のアリ・ナシという項目を気にされている方も決して少なくはないと思います。
中古車の記録簿というのは、一言でいうと中古車の履歴書・カルテのようなもの。
これまでの点検・整備等の情報が記載されています。これが付属してあると、中古車の品質に一定の信頼がおけるのは事実。
ですが記録簿は専門的な記述が多く、普通の購入者がその内容をすべて理解するのは難しいものです。
そこでこの記事では、中古車選びにおいて記録簿がどんな役割を果たすか、さらに記録簿の読み解き方や中古車購入のチェックしたいポイントまで、満足のいく中古車を購入するための基礎知識を解説していきます。
中古車の記録簿とは「車の履歴書のようなもの」
一般的に記録簿とは、正式には定期点検記録簿と言い、その車の点検や修理などの履歴が記録され、車にとっては履歴書やカルテのような役割があります。
下記のようなものが実際の記録簿。
中古車を購入する場合、記録簿があることで
- 前オーナーがどの程度メンテナンスをしていたか
- 車検や法定点検はきちんと受けてきたか
- どんな修理を受けてきたか
などの情報がわかります。
記録簿でわかる4つの情報
実際の記録簿には、具体的に下記のような情報が書かれています。
記録簿でわかる4つの情報
- 点検項目およびチェック欄
- 所有者(使用者)の情報
- 点検を実施した整備工場
- 点検を行った整備主任の情報
上のような記録簿の写真をぱっと見ると、なんだか難しい言葉と暗号が並んでいて意味が分からないかもしれません。
そこで、中古車を購入する際にはポイントを絞って記録簿を見るようにしましょう。全部が理解できなくても全然大丈夫です!
ここからは効率よく記録簿を見るためのポイントについて解説していきますね。
記録簿を見るときの2つのチェックポイント
記録簿には、
- 12カ月点検や24か月点検といった「法定点検」を行った際に発行されるもの
- 6か月点検・新車を購入した際にサービスで行われることの多い3か月点検といった「定期点検」で発行されるもの
があります。
どちらの記録簿を見る場合でも、以下の2点に注意して見るようにしましょう。
- 整備工場が認証や指定を受けた工場かどうか
- どんな部品を交換しているか
ポイント1.整備工場が認証や指定を受けた工場かどうか
整備工場は大きく分けて、
- 指定工場
- 認証工場
- 一般整備工場
の3つに分類されます。ブレーキやエンジン本体など、重要保安部品の分解作業を行うことができるのは、指定工場と認証工場です。
指定工場や認証工場で12か月点検や24か月点検といった法定点検を行うと、必ず事業者の氏名又は名称の欄に「指定番号か認証番号」を記載することになるので見分けがつきます。
一般整備工場が絶対にダメとは言えませんが、分解整備が行えないため、例えばブレーキを分解してしっかりとした点検ができていない事になります。
意外に思われるかもしれませんが、記録簿の記入は整備士ではなく一般のユーザーが行うこともできます。
つまりいくら記録簿が揃っていても、指定工場や認証工場が発行した記録簿でなかったり一般ユーザーが記録した物では、あまり意味がないのです。
ポイント2.どんな部品を交換しているか
記録簿にはその車の整備歴が記載されているため、いつどんな部品を交換したかを見ることできます。
その交換が、例えば
- 消耗品の定期的な交換なのか
- 故障に伴う交換なのか
- 事故の修理に伴う交換なのか
を知ることができるわけですね。
とはいえ、やはり整備士でない限り、記録簿のすべてを読み解くことはかなり無理があります。
秘策として「×(バツ)」と「△(三角)」の2種類だけを注意して見るようにしましょう。
- ×(バツ):交換を表す。ブレーキパッドやエンジンオイルなどの油脂類といった消耗品の交換であればそれほど問題は無く、逆に点検ごとにこれらの油脂類が交換してあれば安心材料にもなる。
- △(三角):修理を表す記号。仮に走行距離が5万km以下と少ないのにエンジン内部や、下廻りの項目で修理を行っている場合は、その修理が何の目的で行われたかを確認。
記録簿は中古車販売店やディーラーで見せてもらうことはできるか
実際に、中古車販売店やディーラーで中古車を購入する際、記録簿を見せてもらうことは可能なのでしょうか。
記録簿はその車にとっては大切な書類であるため、通常は車検証や自賠責保険証などと一緒に店内で厳重に保管されています。
何も書いていない白紙の記録簿しかない場合は、そのまま積んでいても原則問題ありません。それでも車のグローブボックスに入れっぱなしにしているような場合、販売店として適切な仕事をしているとは言えません。
記録簿を確認したい場合は、販売店に確認したいと伝えて出してきてもらいましょう。
しかし近年は個人情報保護の観点から、紙の記録簿は破棄してしまって、ディーラーのコンピューター上で管理している販売店もあります。
これでは残念ながら購入者自身が記録簿を確認することはできません。
しかし自分が車を売却した側になったとして、売却後に見ず知らずの他人に、住所や名前といった個人情報が見られてしまうことを不快に思う方がいても不思議ではないですよね。これは時代の流れ上しかたないことかもしれません。
そのため最近は「記録簿に記載された個人情報の部分」だけを切り取り、旧ユーザーの個人情報が漏れないように配慮している店舗も増えてきました。
この状態であれば、車両の経歴や状態はしっかり確認することができます。
今後は記録簿自体を破棄してしまうのではなく、個人情報の部分だけをうまく処理する対応をしてくれる販売店が増えることを祈るばかりですね。
記録簿がない場合は購入を控えた方が良い?
記録簿は車にとって大切なものであり、中古車を購入する際にはあると安心材料になります。
しかし個人情報の保護や、その他何らかの理由により記録簿が無かった場合、その車の購入を控えた方が良いのでしょうか。
結論、「記録簿が無い車は絶対に買ってはいけない」ということはありません。
本当に大事なポイントは「あるはずの記録簿がなぜ無いのか?」ということなのです。
その理由次第では、購入を控えた方が良いケースもあります。
記録簿がない場合に考えられる4つのパターン
なぜ大切な記録簿が無くなってしまうのか、主に4つの理由が考えられます。
これからご紹介する内容はあくまで可能性であり、一般の利用者が真実を知ることはほぼ不可能です。その販売店が信用できる店舗かどうかもあわせて信憑性を判断しましょう。
- 個人情報保護のため
- 旧所有者が紛失したため
- 整備履歴を隠すため
- メーター戻しを隠すため
パターン1.個人情報保護のため
2003年に個人情報保護法が施行されてから年々個人情報の扱いはシビアになり、大企業になればなるほどその危機管理を徹底しています。
個人情報保護のため、記録簿のような個人情報が記載された書類は破棄されても不思議ではありません。
その販売店と何年も付き合いがある、長年その場所で営業している地域密着の販売店など、個人的にその販売店が信用できるかを重視して購入を決めましょう。
パターン2.旧所有者が紛失したため
整備の現場にいると、車にとって最も大切な車検証でさえ紛失してしまうという所有者を見てきました。
記録簿を紛失してしまう方がいても仕方ないことでしょう。
ただし、記録簿をきちんと保管していた方の場合、こまめな点検やメンテナンスを行っていることが多い傾向にあります。
記録簿が残っていれば、その車がどれだけ大切にされてきたかを推し量る一つの材料にもなるでしょう。
パターン3.整備履歴を隠すため
記録簿に書かれている内容を順に見ていくことで、通常ではありえない箇所の整備や、距離からして不自然な修理箇所などを発見することが可能です。
中古車で最も避けたいのが、事故車や水没車などです。
記録簿があればそういった不自然な整備履歴から、事故車や水没車を見分けることも可能でしょう。
ところが(今ではめっきり数が減ったとはいえ)事故車や水没車であることを隠して販売する悪徳業者の存在も否定できません。
記録簿の存在をうやむやにする、こちらの質問にきちんと答えないなど信頼感のある対応をしてもらえない場合は、万一を考えて購入を控えた方が良いでしょう。
パターン4.メーター戻しを隠すため
走行距離をごまかす、いわゆるメーター戻しされた中古車は、上記の事故車や水没車と同じく、市場でほとんど見ることが無くなってきました。
それでも「100%存在しない」とは言い切れません。
傾向としては、走行距離計(ODOメーター)がデジタルになっている車種であれば、走行距離を戻すのは困難であまり心配する必要はありません。
型式が古い機械式の走行距離計の車種の場合は、メーターを戻すことはそれほど難しくはありません。
記録簿の距離と照らし合わせれば当然不自然なことに気が付くことができます。記録簿が無い場合、走行距離にはより注意する必要があります。
記録簿があることによるメリット
次は、記録簿があることでどのようなメリットがあるかお話していきたいと思います。
記録簿があれば絶対に安心な車とは言い切れませんが、これまでの点検がすべて記録されている場合、ある程度安心して購入するひと押しになるでしょう。
きちんと記入された記録簿は、故障や整備をについて知ることができるし、前の所有者がそれだけ大切に乗ってきた証拠です。
車は工業製品である以上、メンテナンスをきちんと行っていたかどうかで耐久性が大きく変わります。
新車登録されてから今まで、きちんと定期的なメンテナンスや点検を受けてきたことが読み取れる記録簿があれば「この車は大丈夫だ」と判断するひとつの目安になりますね。
記録簿の存在は中古車販売店にとってもメリットがある
次に、売る側のメリットも少しご説明しましょう。
上でお話しした通り、きちんとした記録簿がある車は消費者にとっては安心して購入できる車。売る側としても自信を持ってオススメできる「売りやすい車」なのです。
また記録簿があり安心の中古車=高品質な中古車であり、販売価格を高くできる根拠にもなります。
そのため、中古車の買取などでは記録簿の有無によって査定額が変わるのです。
気に入った中古車があったが記録簿がない…どうするべき?
せっかくお気に入りの中古車と出会えたと思ったら、「記録簿なし」の車だった場合、 購入は見送るべきなのでしょうか。
本音を言えば、決してそんなことはありません。
購入したい中古車に記録簿はあった方が良いのは間違いありません。反対に、記録簿があるというだけで、必ず安心して購入できる中古車とは言い切れないのです。
ぶっちゃけた話、本当に欲しい車がある車好きの方は記録簿が無くとも気にしませんし、例え事故車であっても機能上問題が無いと判断できれば、その車を購入するでしょう。
ただ、一般ユーザーの方に事故車をオススメするわけにはいきません。まずは販売店の店員さんと良く話をすることを心掛けてください。
もちろん販売店側としては、何としてもその車を販売しようと営業トークを仕掛けてくると思います。
その上で記録簿が無くとも、店員さんが知っている限りの車に関する履歴・情報を聞き出しましょう。
その際に答えられない、曖昧な返答しかしないような場合は、残念ながら購入は見送った方が無難です。
下記のチェックポイントはもちろん、その車の気になるところをすべて質問して納得できれば、例え記録簿がない中古車でも問題はないでしょう。
記録簿の有無以外に中古車の状態でチェックするべき5つのポイント
記録簿の有無に関らず、やはり最終的には、実車を自分の目で見て確認しなくてはなりません。
とは言え、車のプロではない一般の方が、その車の隅々まで徹底的にチェックし、すべてを見破ることは不可能ですので、比較的簡単にチェックできるポイントは押さえておく必要があります。
ここからは、記録簿が無い中古車を購入するときだけでなく、粗悪な中古車を掴まされないためにチェックすべきポイントをご紹介していきましょう。
ポイント1:ボディの隙間
ドアやボンネット、さらにはヘッドライトとバンパーなど、各部の隙間が均一かどうかを確認することで「ボディの歪み」、すなわち事故車であるかどうかを見極めます。
1ミリ未満の違いであればあまり気にする必要はありませんが、明らかに左右で隙間が違うような場合は、事故車か修復歴にならない程度の修理を施した可能性があります。
ポイント2:下廻りのサビ
車の下廻りをのぞき込み、目立つサビが無いか確認しましょう。
その際、マフラーなどの交換しやすいパーツを見るのではなく、ロアアームやクロスメンバーなどの足回り、フロアなどの交換しにくいパーツをよく観察します。
可能であればハンドルを切らせてもらい、タイヤハウスの中も確認しておくとより安心です。
雪が多く降る地域や沿岸部などで使用されていた中古車には、下廻りやマフラー、足回りが異常なほどサビていることがあります。
金属のサビは、塗装の下など目に見えないところにまで及んでいることがあります。
時間が経つと思わぬ不具合を引き起こす原因になることがあるため、あまりにサビが酷い場合は、購入を控えた方が良いでしょう。
ポイント3:ハンドルやシフトレバーの擦れ具合
必ずとは言えませんが、ハンドルやシフトレバー、エアコンのスイッチ類などの擦れ具合を見ることで、メーター戻しをしていないかの見当がつきます。
ハンドルやシフトレバーなどは、車を使っていれば必ず操作される部分。距離を走っているうちに人が触ることで、どんどんと擦れていくものです。
走行距離表示が少ないにも関わらず、ハンドルやシフトレバーの擦れが酷い場合は、距離をごまかすメーター戻しが行われている可能性があります。
ポイント4:車内の臭い
車内の臭いは、一瞬乗っただけでは余程の異臭がしない限り気にならないかもしれません。
購入後、時間が経ってから気になりだすものだけに気をつけたいですね。
特にタバコやペットの臭いは、苦手な方にとっては特に耐え難い臭いでしょう。乗っていて気分が悪くなったり、頭痛の元になったりと、運転に支障をきたすこともあります。
購入時のチェックでは、必ず一度は窓とドアを閉め、数分間は車内に留まり慎重に臭いを確認しましょう。
その際にカビ臭かったり、いわゆる古い冷蔵庫のような臭いがする場合、どこかが雨漏れをしているか、最悪の場合水没車の可能性も考えられます。
ポイント5:エンジンルーム
車で一番の重要パーツであるエンジンのチェックは是非行っておきたいポイント。ですがプロの整備士でない限り、一般の方が正確に判断するのは難しいです。
エンジンルームで最低限チェックしておきたいポイントは、エンジンオイルや冷却水などの漏れと、エンジンオイルの汚れです。
エンジンオイルの汚れは、ただオイルの汚れを見るのではなく、お店のスタッフに確認した上でオイルフィラーキャップを外してエンジン内部を見るようにしましょう。
あまりエンジンオイルを交換していないような場合は、エンジン内部に「スラッジ」と呼ばれるベトッとした泥のようなオイルの塊が見えます。
さらに可能ならエンジンをかけてもらい、エンジン音が大きすぎないか・変な音はしないかなども確認しておくと安心です。
中古車のチェックポイントについては、下記記事でさらに詳細をまとめていますのでご覧ください!
格安で優良な中古車を探す方法
今回は、中古車を購入する上での記録簿の重要性やチェックポイントをお伝えしました。
中古車は安い買い物ではないので、なるべく良い中古車を安く買いたいですよね。
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まとめ
中古車は新車に比べてお買い得な価格であるとはいえ、数十万円以上もする高価な買い物。
少しでも自分の希望に近く、間違いのない中古車を選びたいところですが、専門家でもない限り、すべての情報を理解して購入するのは至難の業。
また、あらゆる情報をただ闇雲に集めるのではなく、ポイントを絞ることが大切であり、その中でも、記録簿の有る無しや、記録簿に書かれた情報は、中古車選びにおいてはとても貴重な情報です。
記録簿が有る場合は内容をよく確認し、内容がわからない、または、記録簿が無いときなどは、販売店の方と良く相談して、慎重に車を選ぶようにしましょう。