カー・オブ・ザ・イヤーはダテじゃない!優等生なボルボ・XC60に試乗してみた


2017年-2018年の日本カー・オブ・ザ・イヤーには、ボルボのXC60が選出されました。輸入車の獲得は、2013年-2014年のVW・ゴルフ以来、史上2度目の快挙です。自動車ジャーナリストを中心とする専門家60名の投票によって選出されるカー・オブ・ザ・イヤーには、かつてほどの影響力が無くなったとの見方もありますが、それでもカー・オブ・ザ・イヤーに選出されるということは、やはり特別なことでしょう。そんなボルボ・XC60に試乗してみました。

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XC60のスタイリング

まずはスタイリングから見てみましょう。ボルボは2010年にフォードグループから中国の吉利集団(ジーリーグループ)の傘下に入り、文字通り生まれ変わりました。2012年に登場したV40を皮切りに、大型SUVのXC90、フラッグシップセダンのS90、そしてボルボの伝統を受け継ぐステーションワゴンのV90など、様々なモデルを世に送り出していきました。すべてのモデルが、北欧神話に由来する「トールハンマー」をモチーフにしたヘッドランプを持ち、内外装ともにシンプルかつ機能的な北欧デザインでまとめられています

XC60もそうした近年のボルボモデルの特徴を持っています。というより、遠目にはフラッグシップSUVのXC90との違いがわからないくらい、両車は酷似しています。全車種同じフロントマスクにするということは欧州ブランドによく見られるブランディング手法ですが、車格によって明確にグレードを差別化しない、すなわち大型SUVも中型SUVも装備面では大きく差がなく、ライフスタイルによって自動車のサイズだけ変更するというのは近年のトレンドです。したがって、XC60は、XC90よりも一回り小さく、価格も抑えられていますが、基本的なデザインや装備の面では決してXC90のダウングレード版ではないというのが特徴です。

XC60の走り

さて、次はいよいよ走りです。XC60には、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、そしてプラグインハイブリッドの3つのパワートレインが用意されています。駆動方式はすべてAWD(全輪駆動)となっています。今回試乗したのはガソリンエンジンです。

254馬力を発揮する2リットル4気筒ターボエンジンは、フラッグシップSUVであるXC90に搭載されているものと同じです。一方で、車重はXC90よりも軽い1830kgとなっていますから、走り出しの軽やかさはXC60の方が上と言えるでしょう。1900mmという横幅も、都市部ではやや大きすぎるかもしれませんが、走りの安定感へとつながっています。また、デザインにも寄与していると言えるでしょう。ディーゼルエンジンやプラグインハイブリッドシステムを搭載したグレードの方が、構造上低速トルクが強いため、初速の速さでは分があるかもしれませんが、中高速域での走行性能はガソリンエンジンモデルも十分に優れており、気持ちの良い走りを見せてくれました。

XC90よりもサイズが一回り小さいということもあり、ハンドリングのレスポンスもXC90のような重さはありません。車重もこのクラスにしては控えめとなっているため、フットワークの軽さは感じることができるでしょう。

XC60のまとめ

2016-2017年度の日本カー・オブ・ザ・イヤーでは、大本命だった日産やスバルが不祥事の影響を受けて選考を辞退したという事情もありましたが、それでもカー・オブ・ザ・イヤーに選出されるだけのXC60の実力はダテではありません。一言で言えば、XC60は欠点のないクルマです。非の打ち所がないと言っても過言ではありません。スタイリッシュにまとめられた内外装のデザイン、大きすぎず小さすぎないパッケージング、走行性能や燃費性能を両立した様々なパワートレイン、そして、ボルボが世界に誇る数々の安全装備が、欧州の競合ブランドと同等以下の価格で手に入れられるというのは魅力でしょう。

では、XC60は100点満点のクルマなのでしょうか?そうは思いません。欠点がないというのは事実ですが、強力なライバルたちを押しのけて、XC60を選択してもらうためにはボルボというブランドに対する魅力がもっと必要です。メルセデス・ベンツやBMW、アウディといったライバルたちを戦うためには、優等生なだけではいけないのかもしれません。

とはいえ、ブランド力を向上するためには、まずはなんと言ってもよい製品を世に送り出すことが重要です。そういう意味では、近年のボルボはどれも素晴らしいものとなっています。潤沢なチャイナマネーをバッググラウンドにして生まれ変わったボルボの今後に期待です。


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